マンションの売却をご検討中の場合に、状況によっては、
リースバック
という選択肢があります。
リースバックとは、
現在お住まいのマンションを、「リースバックに対応している会社・投資家」に売却
↓
「売却先の会社・投資家」と「賃貸契約」を取り交わす
↓
現在お住まいのマンションにそのまま賃貸で住む
というものです。
売却の対象は、
リースバックに対応している会社
と
投資家
の場合があります。
リースバックの場合、お引越しする必要もなく、例えば、お子さんの学区変更の心配もありません。
ただ、注意点もありますので、メリットと注意点を事前に確認しておくことが重要です。
下記に、「リースバックの対象先」についての説明をあわせて記載いたします。
リースバックの対象先(リースバックに対応している会社 or 投資家)
リースバックを検討する際は、結論から言いますと、
リースバックに対応している会社を対象に検討
にしたほうが判断がしやすいと言えます。
リースバックに対応している会社ですと、それぞれの会社で、
サービス内容、条件が明確
になっています。
投資家の場合は、相手が個人の場合や法人の場合があり、その際、
間に不動産会社がはいって仲介
することになります。
また、契約条件やリースバック時の賃貸条件もケースバイケースですので、内容の確認など、ある意味、面倒な部分もあります。
売却の際には仲介手数料も必要となり、不動産会社が投資家を探してくるのに時間がかかる可能性がありますので、スピーディーな対応が難しい場合があります。
あるいは、リースバック開始後も、その投資家が物件自体を売却する場合もあります。
(賃貸がついた状態の物件を売却する際は、”オーナーチェンジ物件”として売りにだします)
リースバックのメリット
現在お住まいの住居にそのままお住まいになれる
上記にも記載しましたが、お引越しする必要がありません。
外見上は、変わりません。
スピーディーに対応できる
リースバックに対応している会社に売却する場合は、通常の売却に比べ、スピーディーな対応が期待できます。
ただ、会社によって条件も異なりますので、リースバックの検討の際は、複数の会社を比較することをお勧めします。
固定資産税がかかりません
所有権が移転しますので、固定資産税は、売却先である所有者の負担になります。
もっとも、固定資産税などの経費分も含めた家賃設定にはなります。
将来的に買い戻せる場合があります。
条件にもよりますが、将来的に物件を買い戻せる場合もあります。
もっとも、買い戻す際の価格は、経費などの関係で、売却時の価格より高くなる可能性があります。
リースバックの会社との条件を事前に確認しておきましょう。
注意点
家賃設定が高い場合があります。
リースバックの場合、賃貸で物件を借りることになりますので、その家賃がどれくらいになるかで毎月の家計に直接影響がでてきます。
リースバックの場合、
基準としている利回り(投資額に対する年間の家賃)
から家賃を設定しますので、結果、周辺の家賃相場より高くなる場合があります。
ですので、リースバック時の家賃が実際どれくらいになるかを確認しての検討になります。
売却価格が売買相場より低くなる場合が多いです
リースバックの場合、いわゆる買取りと同じような意味合いで、スピーディーに対応できる反面、
売買価格が相場より低くなる
場合が多くなります。
相場価格で売却できるが、ある程度時間がかかる可能性がある通常の売却
にするか
売却価格は低くなるが、スピーディーに対応でき、そのまま賃貸で住めるリースバック
にするかの選択になります。
リースバックによる売却代金で、ローンを一括返済し、抵当権を消除します
リースバックを行い際は、
売却代金でローンを一括返済し、抵当権を消除する必要があります。
ですので、
売却代金で住宅ローンの残債が支払われるかどうか
と
結果、お手元に残る費用がどれくらいになるか
を事前にチェックする必要があります。
場合によっては、売却価格がローンの残債を支払うのに足りない場合もあります。
その場合は、自己資金をプラスしてでもリースバックを行うかどうかの判断になります。
賃貸契約の種類
リースバック時の賃貸契約の種類も重要なチェックポイントです。
賃貸契約には、
普通借家契約
と
定期借家契約
があります。
チェックするポイントは、更新の際の条件です。
普通借家契約であれば、
貸主に正当な事由
がない限りは更新できます。
(例えば、貸主が個人で自宅を貸している場合は、転勤が終わって、自宅に戻って自身が住む場合などが正当な事由に相当します)
定期借家契約の場合は、更新の際に、貸主に正当な事由がなくても契約を完了できる内容の契約です。
ですので、定められた契約期間で退去させられるリスクがありまので、
定期借家契約
の場合は要注意です。
また、逆に、借主から中途解約についても、
普通借家契約の場合は通常1ヵ月前(特約に記載)
ですが、
定期借家契約の場合は、要注意
です。
通常は特約事項に、中途解約の記載がありますが、その記載が無い場合は、
中途解約する場合は、契約期間終了までの間の家賃を支払う
ことのなってしまいます。
(定期借家契約の場合、基本は、その期間の契約が前提です。ただし、実際は中途解約する場合もありますので、それを、特約事項に記載して取り決めるということになります)
所有権の名義が変わります。
リースバックの際は、所有権の移転手続きを行い、売却先の名義に変わります。
その他
物件の所有権が変わりますので、
・管理組合には書類の提出は必要
となり、また、
・マンションの管理組合から外れますので、理事会の役員の順番もまわってこない
ということになります。
理事がまわってこないということで気楽な反面、マンションの改善に直接タッチできなくなるという面があります。
いずれにしても、リースバックを検討する際は、細かい箇所まで十分にチェックすることが大切です。
リースバックを行っている会社
■ハウスドゥ

■センチュリー21

■ピタットハウス
※この他にも複数の会社がリースバックを行っています。
以上、「リースバックの注意」についての説明でした。