マンション購入の際、共有名義にするケース 住宅ローン減税との関係は?

マンション購入の際、共有名義にするケース 住宅ローン減税との関係は?

共同名義マンション購入

マンションの購入をする際に、
奥さんとの共有名義にしたほうが良いかどうか?
という質問を受ける場合があります。

また、住宅ローン減税の点からどちらが得なのかということも気になるところです。

結論から言いますと、
共有名義にしたほうが良いかどうか
を検討する前に、
共有名義にできるかどうかの判断になります。

共有名義にする為には、
そのマンションの購入する際に資金的負担があるかどうか
によって決まります。
実質的に、負担がないと共有名義にはできません。
負担分が無いのに共有名義にすると、贈与扱いになり、贈与税の対象になりますので、注意が必要です。
ですので、共有名義にする為には、「ペアローン」などで、それぞれが負担する形で住宅ローンを組む必要があります。

また、住宅ローン減税の関係で、
ご主人と奥さんの両方が住宅ローン減税の対象としたい
ということを優先する場合は、
「ペアローン」
もしくは、
「連帯債務」(連帯保証ではなく、連帯債務です)
での対応になります。

それぞれ注意点がありますので、下記に順に説明していきます。

本記事は、執筆者(宅地建物取引士の資格保有)の不動産取引の実務経験に基づいて記載しており、記載内容も、すべてオリジナルな内容となっています。
また、本サイトは、宅建業の免許を持つ不動産会社が運営しています。[宅建業 千葉県知事(1)第17909号]

不動産の共有名義

取得した不動産の所有権に関しては、
登記識別情報(権利証)

登記簿の「不動産の権利に関する部分(甲区)」
にその内容が記載されます。
所有権の持ち分が半分づつの場合は、それぞれの記載箇所に、「持ち分2分の1」といった記載になります。

ここで注意しないといけない点は、
所有権の持ち分の割合は、実際の負担割合に応じて設定する必要がある
ということです。
先にも記載しましたが、負担していないのに持ち分が設定されていると、
「贈与」
と見做され、贈与税の対象となってしまいます。

住宅ローンで、
「ペアローン」「連帯債務」で対応する場合
は、共有名義となり、それぞれの負担割合によって持ち分が決まります。

■共有名義にする場合の注意点

・将来、その物件を売買する場合、共有名義人それぞれの同意および売買契約書への署名、捺印が必要となります。
もっとも、単独名義の場合も、売却の場合は、ご夫婦で相談して決められますし、売買契約の場にもご夫婦で来られる場合が多いので、実質的にはあまり大差は無いとも言えます。

・登記にかかる諸経費が、単独の持ち分の場合より多くかかります、
多少、費用的な部分が変わってきます。

・相続の場合も、それぞれの持ち分ごとに行う必要があります。

住宅ローンについて

住宅ローンを組む時とのパターンとしては、下記の4つがあります。

・単独名義
・ペアローン
・収入合算 連帯保証
・収入合算 連帯債務

・単独名義

通常は、ご主人名義で住宅ローンを組む場合です。
名義も、ご主人のみになります。
※金融機関によっては、奥さんの連帯保証を求めてくる場合もあります。
その場合も、名義は、ご主人のみの単独になります。

・ペアローン

ご主人と奥さんのそれぞれがローンを組む形になります。
毎月の引き落しも、それぞれの口座からになります。
共有名義となり、その割合は、それぞれの負担額によって決まります。

・収入合算 連帯保証

収入合算をすることで、住宅ローンの借入額を増やすことができます。

連帯保証の場合、主たる債務者(ご主人の場合が多い)が返済できない時に、収入合算者である連帯保証人(奥さんの場合が多い)が代わりに返済する責務を負うというものです。
あくまで、先に、主たる債務の返済義務があります。
「収入合算 連帯保証」の場合の名義は、単独名義になります。

・収入合算 連帯債務

収入合算をすることで、住宅ローンの借入額を増やすことができるという点は同じです。
異なるのは、
連帯債務
という点で、この場合、連帯債務者は、
主たる債務者と同等の責務を負う
という言う点です。

また、通常、連帯債務者は、団体信用生命保険にも入ります。
名義は、共有名義となります。
住宅ローンの引落しは、主たる債務者の口座からになります。

この連帯債務は、金融機関によっては対応していない場合が多いので、事前に確認が必要です。

共有名義で住宅ローン減税に対応する場合

共有名義で住宅ローン減税に対応するには、
ペアローン
もしくは、
収入合算 連帯債務
での対応になります。

また、
収入合算 連帯債務
に関しては、
金融機関が対応しているのかどうかを事前に確認
する必要があるとともに、
連帯債務名義で、住宅ローン減税に必要な書類(残高証明)の発行
をしてくれるかどうかを確認しておく必要があります。

住宅ローン減税は、会社員の場合、
・初年度は自身で確定申告
・2年目以降は年末調整
で対応しますが、それぞれ、住宅ローンの残高証明が必要です。
金融機関から、年末に住宅ローンの残高証明を連帯債務名義で発行してもらう必要があります。
対応してくれないと住宅ローン減税手続きができませんので、注意が必要です。

住宅ローン減税額について

住宅ローン減税とは、
正式名称が「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる減税制度
です。
正確には、減税ではなく、控除です。

内容的には、

・対象は、返済期間10年以上の住宅ローン
・所得は3,000万円以下の人が対象
・登記簿面積(床面積)が50平米以上
・築25年以内のマンション
 もしくは、
 耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)、既存住宅売買瑕疵保険への加入により、耐震基準を満たしていること

等が条件となります。
(その他の細かい条件として、
・居住を開始した年の前後2年ずつの計5年間に、3000万円特別控除などの特例を受けていない
・マンションを取得してから6ヶ月以内に入居し、12月31日まで住み続けていること
などがあります)

上記条件を満たした場合、申告により、

・毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除
・所得税から控除できない分は住民税から控除される
 (住民税から控除される際の限度額は、136,500円)

という控除が受けられます。
申告しないとその措置が受けられません

住宅ローン減税を目的に、共有名義を検討される際は、上記条件に合致しているかを事前に確認しておきましょう。

共有名義による住宅ローン減税

住宅ローンの減税額は、基本、
年末時点の住宅ローンの借入残高×1%
となります。
(最大控除額は、40万円)

但し、その額がそのまま減税されるのではなく、上記に記載してますように、
所得税から控除されることになります。
(所得税から控除できない分は住民税から控除。その場合の限度額は、136,500円)

事例

仮に、残高が3000万円あった場合、1%は30万円となりますが、30万円が控除される訳ではありません。
所得税と、所得税から控除できない分は住民税から控除されます。

例えば、
所得税が90,000円
住民税が180,000円

であれば、合計は、
90,000円+180,000円=270,000円
ですが、
住民税から控除される際の限度額は、136,500円
ですので、
90,000円+136,500円=226,500円
が控除の対象となります。

ですので、単に住宅ローン残高の1%が戻ってくるわけではないということを把握しておきましょう。

※参考 総務省
新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。

共有名義の場合の住宅ローン減税について

共有名義が、住宅ローン減税の対象となるには、
共有名義人(通常、奥さん)が所得税、住民税を支払っている
ことが前提になります。

その上で、
単独名義の場合

共有名義
の場合で、10年間でどれくらいの金額差がでるかをシュミレーションして判断することになります。

また、10年間の間での所得の増減や、奥さんがお仕事を続けられる予定がどうかも想定しておく必要はあります。

いずれにしても、途中で共有名義から単独名義に変更するのも費用や手続きが必要ですので、事前に十分検討して判断されることをお勧めします。

以上、「マンション購入の際、共同名義にするケース 住宅ローン減税との関係は?」についての説明でした。

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