
マンションの売却で、
トラブルになる場合のタイミング
について知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
マンション売却の際の、不動産会社とのトラブルや、買主側とのトラブルについて、時系列で説明しています。

マンション売却の際に、スムーズに売却できればいいのですが、稀に、トラブルになるケースがあります。
また、トラブルの程度に関して、比較的軽い内容から、裁判で争うというレベルまで差があります。
下記に、その内容と対応策について記載します。
マンションの売却に関するトラブルパターン

マンションの売却に関するトラブルについては、下記のケースがあります。
・売却が思うように進まない
・不動産会社の対応が悪い
・売買契約書、重要事項説明書の不備
・報酬に関して
・売却後のトラブルの対応
それぞれについて、下記にみていきます。
売却前

売却時の販売活動において、買主がなかなか決まらないというケースがあります。
この場合、その原因が、
・不動産会社の問題
・物件の問題(価格も含めて)
に分かれます。
価格設定が原因の場合は、、売主の希望で、相場よりかなり高めの価格設定をしているようなケースでは、なかなか買主が決まらないという状況になる場合もあります。
しかしながら、不動産会社の問題で、物件が決まりづらい状況になるケースも存在します。
その原因としては、下記のような事項が考えられます。
・マンションの売却に慣れていない
・大手の不動産ポータルサイト(アットホーム等)へ出稿していない
・不動産会社の担当者の営業スキルが低い
・そもそも、不動産会社の担当者の対応が悪い
・物件の囲い込みをしている(他の不動産会社からの問合せに応じていない)
・定期的な報告がない(報告頻度は、媒介契約書で定められています)
こういった場合は、一応、その時点での、
販売活動の状況確認
をしつつ、
不動産会社自体の変更
も検討するという対応になります。
注意会を依頼する不動産会社の変更に関しては、マンションの売却の仲介を依頼する際に取り交わす、
媒介契約書(仲介の契約)
に、通常、その有効期間が、
3カ月
となっていますので、そのタイミングで、
更新をしない
という方法で対応します。
同時に、他の不動産会社を選定して、同様に媒介契約を取り交わすといううことになります。
その場合、事前に、
次の更新で、一旦、仲介の依頼を取り下げる(媒介契約を更新しない)
ということを伝えておく必要があります。
もちろん、更新までに、物件が決まればOKです。
また、更新までに、不動産会社の動きに改善が見られれば、継続する可能性もでてきますので、状況に応じての判断となります。
売買契約、物件の引き渡し時

売買契約書、重要事項説明書の不備
売買契約時には、不動産会社が、
売買契約書や、重要事項説明書など
の売買に伴う書類を作成します。
不動産会社の中には、こういった書類を、
しっかりと作成しないケース
が、多々見受けられます。
不動産の契約が初めての場合など、その内容をチェックするのは、難しい部分がありますが、少なくとも、
売主に不利な内容になっていないかどうか
をチェックする必要があります。
このことをしっかりしておかないと、
物件の引き渡し後に、トラブルになるリスク
をかかえることになります。
この場合の対応策としては、
・売買契約前に、関係書面(売買契約書案、重要事項説明書案)を見せて見もらう
・売主に不利な内容がないかチェックする
ということになります。
ここでいう、「売主に不利な内容」に関して、注意すべき点は、
物件の瑕疵(不具合)
や、
告知すべき事項
が、
そのことに対する容認内容とあわせて書面にしっかりと記載されているかどうか、
ということです。
容認事項というのは、告知された不具合に関して、買主が承知しているという意味です。
つまり、
不具合箇所を理解して、物件を購入している
ということを書面で明記している必要があります。
これらが記載されていないと、物件の引き渡し後に、買主がそれらを指摘した際に、
売主が賠償金を支払う
ということになってしまいますので、要注意です。
不動産の売買においては、物件を引き渡したら終わりではありません。
不具合を隠して売却してしまうと、
売主側の責任を追及されますので、そういったことが無いように、事前に書面をチェックする必要があります。
通常は、
特約事項
の項目に、その物件特有の事項が記載されます。
また、特約事項の内容は、契約書の一般条項より優先されます。
また、売主が責任をもつ期間(契約不適合責任の対応期間)についても、記載がなされているかと確認する必要があります。
報酬に関して
不動産売買のトラブル事例になかには、
不動産会社に支払う報酬
に関する事例が複数あります。
現在でも、
宅建業法に定められた報酬以上の金額を請求する不動産会社
が存在するということです。
不動産を売却する際には、物件価格が400万円以上の場合、
物件価格 × 3% + 6万円 + 消費税
が、仲介手数料となります。
それ以外の費用を、不動産会社に支払う必要はない訳です。
悪質な不動産会社の場合、
コンサルティング費用
あるいは、
広告費用(特別な広告で、事前に売主の承認を得たものを除く)
と称して、報酬を請求してくるというケースがあります。
こういった費用を請求してくる不動産会社への対応としては、
各都道府県の宅建業者の免許を管理している部署への相談
が良いと言えます。
宅建行法に違反している不動産会社に、処分を行ってくれます。
例えば、都道府県の下記のような部署になります。(都道府県によって、名称が異なります)
(東京都)
住宅政策本部 不動産業課 免許担当
(大阪府)
都市整備部 住宅建築局建築指導室建築振興課 宅建業免許グループ
売却後

売却後のトラブルとしては、物件の受け渡し後、
売買契約書に記載されている内容と実際が異なった
ということによるものになります。
具体的には、上記にも記載したような、売買契約書に記載されている、
不具合に関する告知事項に関すること「以外」
でのトラブルということになります。
この場合に内容としては、2つに分かれます。
それは、
・主要な部分の不具合か、
・軽度な内容なのか、
ということです。
主要な部分の不具合
主要な部分の不具合というのは、
建物の主要な部分の不具合(雨浸みや、配水管などの不具合)
や、
平穏な生活に支障がでるレベルでの問題
などです。
マンションの場合、戸建て物件と違って、
建物の傾きやシロアリ被害
は、ほぼありませんが、築年数の古い物件では、
壁のクラックからの雨浸みや配水管の不具合
の可能性はあります。
あるいは、心理的な面などで、生活に支障がでるレベルの事項です。
過去の事件、事故もこれに相当します。
そういった箇所の不具合があれば、契約書の告知事項に記載すべきですが、万が一、説明がなされていなかった場合は、法的には、
契約不適合責任
に該当し、売主の責任となります。
基本的には、下記の法的な対応での処置となります。
契約不適合責任の詳細は、下記をご参考ください。

軽度な内容の場合
ケースとして、軽度な内容の不具合の場合でも、クレームを言われる可能性もあります。
この場合は、
仲介した不動産会社
に間にたって、対応してもらうという対処になります。
中古物件の場合、通常は、売買契約書の中にも、
経年による劣化
に関する記載をします。
その記載の解釈で対応できる範囲であれば、基本、売主の責任は及ばないと解釈できます。
ただ、売却後に、細かい箇所でクレームを言われるのは、あまり気分のいいものではありませんので、
軽度が不具合でも、気になる箇所は、しっかりと契約書に記載しておく
ことで、リスク回避になります。
まとめ

マンション売却時のトラブルに関して、対不動産会社に対しては、
仲介を依頼する際
に、
いかに、信頼できる不動産会社を選定するか
ということにつきます。
ですので、複数の不動産会社に話しを聞いて、対応内容なり、過去の実績などをヒアリングして、判断するということが大切になってきます。
買主さんとのトラブルに関しても、
不動産会社の対応
が大きく関わってきます。
つまり、営業時や、売買契約時において、しっかりとした説明ができているか、また、その内容が書面に明記されているかという点に注意が必要です。
また、その前提として、
売主側としては、物件の不具合に関して、しっかりと伝える
ということが重要になります。
そのことをおろそかにすると、結果、
売主側の責任(損害賠償)
が発生するリスクがあります。
また、参考事例として、下記の、
不動産トラブル事例データベース
で、各事例がまとめられています。
以上、マンション売却の「トラブルとなるタイミング」についての説明でした。
