マンション売却時に、
リバースモーゲージ
という方法があるようだけど、注意すべきことはあるのかなぁ?
また、そもそも、 リバースモーゲージ とはどういう仕組みなのか知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
最近、テレビCMや広告などで、「リバースモーゲージ」のサービスを見かけることがあります。そのしくみと、利用する上での「注意点」について、わかりやすく説明しています。
事情で不動産の売却をご検討されておられる方の中には、
リバースモーゲージ
を選択肢のひとつとしてお考えの場合があります。
「リバースモーゲージの内容(仕組み)」
と合わせて、
マンションの場合の「リバースモーゲージ」についての注意点
について下記にご説明いたします。
また、リバースモーゲージは、一般的には、
55歳あるいは60歳以上の人
を対象しています。
リバースモーゲージは、いくつかの注意すべき点があります。
※【参考】
また、「リバースモーゲージ」とは別のしくみにはなりますが、
「リースバック」
というものがあります。「リースバック」については、下記の記事でご紹介しています。
リバースモーゲージとは何か?
リバースモーゲージの言葉の意味合いとしては、
リバース;逆
と
モーゲージ;抵当・抵当権
の合成語になります。
通常は、住宅に関する融資の際は、
最初に必要な金額を借りて、毎月、元本、利息を返済する
ものですが、
リバースモーゲージの場合は、
毎月の支払いは利息のみで、元本の返済は、借主の死亡後に相続人が支払う
というしくみです。
つまり、
融資の借主がお亡くなりになられた後に物件を処分することを前提に、借り入れを行う
というものです。
具体的には、ある程度の年齢以上(一般的には、55歳あるいは60歳以上)の方が、
・住宅ローンの毎月の支払い額の負担が大きい
や、
・お手元に現金を持っておきたいような場合
に活用するしくみと言えます。
(通常、リバースモーゲージの場合、利用用途にも条件があります)
リバースモーゲージは、不動産を抵当にした「融資」の形態のひとつと言えます。
「リバースモーゲージ」の注意点
対象について
上記にも記載しましたが、通常、
一般的には、55歳あるいは60歳以上
という年齢の制限があります。
対象となる物件の種類
「リバースモーゲージ」の対象物件については、
・物件の評価額による制限
や
・場合によっては、戸建て物件のみ(取り扱う会社によって異なります)
といった条件が付く場合があります。
いくつかの金融機関が「リバースモーゲージ」を扱っていますが、その金融機関のよって条件が異なります。
例えば、東京スター銀行の場合は、
” 当行担保評価額が戸建ての場合2,000万円以上、マンションの場合3,000万円以上の物件が対象です。”
とあります。
東京スター銀行のリバースモーゲージ「充実人生」
借り入れ時の「物件の評価額」が下がることによるリスク
借り入れた元本は、融資の借主がお亡くなりになられた後に物件を売却して返済します。
その際のリスクとして、
借り入れ時に設定していた物件の評価額が下がり、予定していた金額で売却できなかった際に、相続人に責任がおよぶ可能性
があります。(不足額について、相続人が責任を負う可能性があるということです。)
また、相続財産の処分という意味合いで、リバースモーゲージの契約には、
相続人の合意
が必要となります。
もちろん、対応する金融機関によって具体的な契約条項が異なります。
ですので、リバースモーゲージを利用する際には、
契約上のリスクがどの程度発生する可能性があるのか
を十分に検討する必要があります。
※また、金融機関は、定期的に物件の評価額の見直しを行う場合が多い為、途中で、物件の評価額が下がった場合に、借り入れ条件の見直しを行うリスクもあります。
ですので、そういった場合の対処方法についても、契約の取り交わし時に確認しておく必要があります。
不動産の評価が下がることによる「リスク」があります。
また、そのリスクは、相続人に責任が及ぶことになります。
配偶者の居住について
借主が亡くなった際に、配偶者がそのまま居住できるのかどうかも重要な事項です。
金融機関毎に対応内容が異なりますので、必ず確認が必要です。
最終返済期限が設けられているケース
金融機関によっては、最終返済期限が設定されている場合があります。
長生きすることは喜ばしいことなのですが、そのような契約の場合、設定期間がきたら、
物件を売却する
もしくは、
借り入れ額を一括返済する
のいずれかの対処をすることになります。
物件売却の場合は、住む場所の問題もあり、大きなリスクとなります。
最終返済期限が設定されているかどうか、契約書の内容をしっかりとチェックする必要があります。
金利上昇リスク
毎月のお支払いは、金利のみになります。
変動金利の場合、将来的な金利上昇のリスクになります。
ちなみに、住宅支援機構(旧住宅金融公庫)の
リ・バース60
という商品の場合は、固定金利のみになります。
(参考)リ・バース60
補足;各都道府県の社会福祉協議会について
リバースモーゲージは、一般の金融機関の他、
各都道府県の社会福祉協議会
が対応している場合があります。
この場合は、「生活資金を貸し付け」という意味あいになります。
また、
・借主がお亡くなりになった後、相続人または連帯保証人が貸付金及び利子の返済をする
・抵当権等の担保権が設定されていないこと
・借主の所得に関すること
などの条件があります。
詳細は、各都道府県の担当部署への確認になります。
まとめ
テレビでも、リバースモーゲージのCMを見ることがありますが、実際に利用する際は、上記に記載したような
いくつかのリスク
があります。
特に、予定していた評価額が下がった場合、相続人に迷惑がかかる可能性もあります。
リバースモーゲージには、相続人にも責任が及ぶ可能性のあるリスクのある金融商品ということを認識する必要があります。
ですので、安易に利用するべきサービス(金融商品)ではないと言えます。
もちろん、取り扱う会社によって、そのルールが異なってきますので、ご利用の際には、契約内容を十分検討してから判断されることをお勧めします。
以上、「リバースモーゲージ」についての説明でした。