売買契約書の、「契約不適合責任」の箇所のチェックは重要デス!

マンション売却ガイド

売買契約書に記載する、
「契約不適合責任」
に関する事柄が重要と聞いたんだけど、詳しく知りたい。

こんなテーマに関する記事です。

この記事の内容▼

不動産の売買契約書のなかの、「契約不適合責任」についての記載は、非常に重要です。
これは、物件を売却した際の売主の責任に直結した内容になりますので、十分に注意する必要があります。

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通常、マンションの売却をする際に取り交わす
 売買契約書
に、
 「契約不適合責任」
に関しての記載をします。

「契約不適合責任」とは、不動産を売却する際の、
 売主の責任範囲
に関する法的な取り決めです。
内容的には、
 売却した不動産に、建物の不具合など、契約内容に適合しない箇所があった場合の「売主の責任
についての取り決め事項のことになります。

売主側にとっても、買主側にとっても、かなり重要な事項なので、必ず、契約書にどのような内容で記載がされているかどうかを確認しましょう。

「契約不適合責任」とは、マンションを売却した後の「売主の責任」に関する法的なルールになります。
売却後の責任を問われないようにする為には、
 「契約不適合責任の免責」に関する事項を明記
する必要があります。

「契約不適合責任」に関しての注意事項としては、結論から言いますと、
 物件に関する不具合(設備も含む)があれば、事前に買主側に説明しておく
ことを前提に、
 物件に不具合があれば、その内容
と、
 ・「契約不適合責任」の免責対象と、免責内容
 ・契約合責任」を適応させる場合はその期間
を、契約書に記載することが重要なポイントになってきます。
(免責とは、「責任を負わない」という意味になります。)

これらの内容は、売買契約書の、特約事項の箇所に記載することになります。

逆に、
 「契約不適合責任」に関する期間や、免責などの記載がない場合
は、基本、民法上の「契約不適合責任」の、
「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」
「権利を行使することができる時から10年間行使しないとき」

という期間、売主側の責任があるという解釈がなされてしまいます。

そうすると、実際、売主側で対応すべき期間が長くなりますので、現実的ではありませんし、同時に、売主側のリスクもあります。

ですので、必ず、特約事項で、「契約不適合責任」に関する記載をしておくことは賢明な対応と言えます。

「契約不適合責任」は、任意規定という位置づけになっており、
 契約当事者が合意すればその特約は有効
となり、
 免責
にすることもできます。

下記に、「契約不適合責任」の内容の詳細について、記載します。

目次

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「契約不適合責任」とは、

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「契約不適合責任」とは、
 2020年4月1日の改正民法
に伴って導入された考え方です。

ちなみに、この民法の改正は、120年ぶりの大改正となっていて、契約の捉え方など、根本的な部分での変更がなされています。

結果、不動産売買においては、
 ・買主側は、有利
 ・売主側は、不利
な内容となっています。

【補足】
改正前の民法は、明治時代に設定されたもので、ローマ法を起源とするヨーロッパの法律の
考え方がベースになっています。
つまり、
 取引においては、現状の状態のものと取引する
という考え方です。
但し、住宅においては、事前に説明をうけていない、あるいは、見えない瑕疵(不具合)については、売主側の責任(瑕疵担保責任)ということで運用がなされていました。 

それが、改正後は、基本、
 買主の購入目的に合致しているか、契約書の通りの取引になっているかどうか
ということに、主眼がおかれるという内容になっています。
これは、アメリカ法的な考え方がベースとなっています。

次に、その具体的な内容についてみていきましょう。

「契約不適合責任」の定義

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「契約不適合責任」の「契約不適合」の定義としては、
 「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない」
となり、その場合の責任が売主側にあるという解釈になります。

マンションの場合、
 目的物;取引の対象となるマンション
 種類 ;通常は、居住用のマンション
 品質 ;居住に際しての品質
 数量 ;通常は、1住戸

となります。

契約の目的に適合しているかという観点からは、
 居住の用に適しているかどうか
がその焦点となります。

もっとも、居住に際しての品質については、戸建て物件の場合は、雨漏りや、傾きなどのリスクがありますが、マンションの場合、そういったリスクは少ないと言えます。

ただ、マンションの場合も、古いマンションなどの場合、雨浸みや、配水管の不具合などのリスクはあります。

「契約不適合責任」の対応

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売主側の、「契約不適合責任」への対応としては、上記にも記載しましたが、
 ・物件に関する不具合(設備も含む)を、事前に買主に説明しておく
 ・売買契約書にも、その内容を記載する

という点を前提に、契約書の特約事項の箇所に、
 「契約不適合責任」の免責対象と、免責内容
と、
 契約不適合責任」期間
を記載するという内容で対処します。

物件に関する不具合(設備も含む)がある場合は、その物件の販売時点で、その旨を説明しておくということが重要です。

契約の取り交わしの時点で、そのことを初めて説明するとなった場合、トラブルになる可能性もあります。
結果、契約自体がキャンセルになるケースもあり、そうなると、それまでの時間と手間が無駄になってしまいます。

物件に関する不具合がある場合は、物件の販売資料にもそのことを記載することになりますので、
 売却の検討のタイミング
に、該当する事項があれば、その内容を整理しておいたほうが良いでしょう。

また、契約書には、「契約不適合責任は免責とする」といったおおざっぱな書き方ではなく、免責対象や、期間、減額代金請求などなどの項目をあげて免責する旨の記載をします。

(例)
下記事項について売主に対し、解除、損賠賠償、修補、代金減額請求等の一切の法的請求をなし得ないものとする。
以下、免責事項の記載・・・

売却時に「契約不適合責任」の対象とする場合は、その期間は、
 2~3カ月間
で設定する場合が一般的です。
これは、民法改正前の、瑕疵担保責任での対応の場合と同様です。

また、
 ・築年が、かなり古い物件
 ・低価格の物件
 ・瑕疵(不具合)がある物件
 ・告知事項のある物件

といった物件の場合は、販売資料にも、最初から「契約不適合責任の免責」の記載をする場合もあります。
いずれにしても、売却時の販売方針を検討する際に、どのようにするのかを決めることになります。

「契約不適合責任」における売主の責任

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契約書に記載されている事項については、買主も合意の事項なので、基本、売主が「契約不適合責任」に問われることはないと言えます。

但し、
 売主が知っていて告知していなかった事項
があれば、「契約不適合責任」として、売主の責任となります。

その場合、買主は、
「追完請求」「代金減額請求」「催告解除」「無催告解除」「損害賠償」
のいずれかを行うことができます。

その他、内容的にグレーな事案が発生した場合は、売主、買主、仲介業者の話し合いによる解決、あるいは、状況によっては、裁判ということになるというリスクもあります。 

もっとも、「契約不適合責任」への改正前から、
 不動産売買においては、裁判になってしまうような事案
もありますので、そのこと自体は、珍しいことではありません。

しかしながら、
 物件の状況をしっかりと買主に説明する
とともに、
 売買契約書にもそのことを記載する
ことで、トラブルに発展するリスクを抑えることができます。

物件の不具合、告知事項を隠すような行為は、結果的に、物件の売却後、売主に対する損害賠償のリスクとなります。
くれぐれも、隠し事の無いようにしましょう。

家屋調査(インスペクション)と瑕疵担保保険

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マンションの場合、「契約不適合責任」のリスクが少ないとはいえ、特に、築古のマンションの場合、雨浸みや配管の不具合等のリスクの可能性はゼロではありません。

そんな時に、専門家に、
 家屋調査(インスペクション)
を依頼しておくと、客観的な報告書を作成してくれます。

売買契約の際に、その資料で指摘された箇所を説明するとともに、書面に記載することで、売主側のリスクをおさえるとともに、買主側も安心できます。

更に、
 瑕疵担保保険
にはいっておくと、万が一、売却後に不具合が発生した際も、保険での対応が可能となります(保険の金額の上限は設定されています)。

瑕疵担保保険にはいる為には、事前の調査が必要となりますが、
 瑕疵担保保険に対応した家屋調査(インスペクション)
で対応しておけば、効率的です。

※補足
家屋調査(インスペクション)を依頼する際には、
  既存住宅状況調査技術者講習制度
にもとづいた資格保持者に調査してもらいましょう。 
中古住宅の売買の際に行われる重要事項説明で、既存住宅状況調査を実施している場合にはその結果の説明を行いますが、この調査を行うことができるのは、
 既存住宅状況調査技術者の資格者
のみになります。
民間のインスペクター資格者では、対応できませんので、注意しましょう。

【参考】既存住宅状況調査技術者講習制度について

「契約不適合責任」免責の例外事項

下記のケースでは、売買契約書で、「契約不適合責任」を免責にしていたとしても、無効になります。

中古物件の売主が、業者(宅地建物取引業者)の場合

中古物件の売主が、業者(宅地建物取引業者)の場合、
 「契約不適合責任」の免責
はできません。

仮に、売買契約書に、「契約不適合責任」の免責の記載があったとしても、それは、無効になります。
契約不適合の通知期間が、2年以上であれば問題はありません。
少なくとも、2年間は、業者である売主は、物件に関する「契約不適合責任」があるということになります。

宅地建物取引業法40条1項では、下記内容の定めがあります。

宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地・建物の売買契約において、契約不適合の通知期間を2年以上とする特約を除き、契約不適合責任を軽減する内容の特約をすることが禁止されています。

宅地建物取引業法40条1項

もし、売買契約書に、2年未満の、
 2年未満の「契約不適合責任」の免責の記載
があれば、その業者は、宅地建物取引業法の規定を認識していないということになります。

売主が知っていながら、事前に告知をしなかった不具合

売主が、知っていながら告知、契約書に記載をしていない不具合に関しては、
 契約不適合責任の免責
の対象とはなりませんので、注意しましょう。

事前に把握している不具合事項をしっかりと説明し、契約書に記載することが、トラブルを防ぐ要因のひとつとなります。

まとめ

マンション売却ガイド

「契約不適合責任」については、
 売主側の責任を問う内容
になっていますので、注意が必要です。

売買契約書の内容に、
 売却する物件の不具合事項

をしっかりと記載して、
 その内容を買主に説明
した上で、売買契約を取り交わすことが重要となってきます。

また、売却する物件の不具合事項に関しては、
 家屋調査(インスペクション)
を行うことで、客観的な報告書を作成することができますので、費用はかかるものの、売主、買主双方にメリットがあります。

更に、瑕疵担保保険の手続きをすることで、万が一、売却後に不具合が見つかった際の費用的なリスク回避にもなります。

また、売買契約書に売主の責任の範囲をしっかりと記載する必要があります。
売買契約書自体は、仲介を依頼する不動産会社が作成します。
ですので、不動産取引についての見識のある、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切になってきます。

実際、不動産会社のなかには、
 簡易な形式の売買契約書
ですませてしまうような会社もありますので、注意が必要です。

いずれにしても、仲介を依頼する不動産会社は、
 信頼できる会社
を選ぶ必要があります。

ですので、不動産会社選びの際には、複数の会社のなかから、提案内容や、対応の仕方などを比較検討して選定されることをお勧めします。
その際に、一括査定のサービスを活用する方法もあります。

一括査定のサービス自体は、同じようなサービスを提供している会社が複数ありますので、どのサービスを利用すればいいのかと迷ってしまいます。
その場合は、
 一括査定のサイトを運営している「会社」が信頼できる先
のサービスを選ぶと安心感があります。

例えば、下記の「Home4U」は、NTTグループの会社が運営していますので、安心感はあります。

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また、一括査定サイト経由で依頼する不動産会社が大手の場合、店舗が都心部にしか無いケースが多いのが実情です。
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いずれにしても、物件からなるべく近い会社に依頼するほうが望ましいと言えます。

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他にも、地域は限定されるものの【首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)が対象】、
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以上、売買契約書の、「契約不適合責任」の箇所のチェックについての説明でした。

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(この記事を書いたのは、)
この記事は、不動産会社である「株式会社クラスイエ」【宅建業 千葉県知事(1)第17909号】のスタッフが、実際の不動産売買の実務経験を基に書いています。

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