最近、CMなどでも聞くことがある、
リースバック
について、デメリット、注意点などはないのかな?
具体的に検討する際の不安を解消したい。
こんなテーマに関する記事です。
住宅の「リースバック」について、実際に活用する際には、注意すべき点がいくつかあります。それらのポイントについて、わかりやすく解説しています。
マンションの売却をご検討中の場合に、状況によっては、
リースバック
という選択肢があります。
リースバックとは、下記のような仕組みのことです。
現在お住まいのマンションを、「リースバックに対応している会社」に売却
↓
「売却先の会社」と「賃貸契約」を取り交わす
↓
現在お住まいのマンションにそのまま賃貸で住む
というものです。
リースバックの場合、お引越しする必要もなく、例えば、お子さんの学区変更の心配もありません。
ただ、注意点もありますので、メリットと注意点を事前に確認しておくことが重要です。
下記に、「リースバックの対象先」についての説明をあわせて記載いたします。
リースバックには、リスクがありますので、注意しましょう。
リースバックのサービスを提供している会社
リースバックを検討する際には、
リースバックのサービスを提供している会社
のなかから、検討することになります。
現状では、リースバックのサービスを提供している会社が、数がかなり限定されています。
リースバックを行っている代表的な会社としては、下記の会社があります。
■ハウスドゥ
■センチュリー21
■ピタットハウス
※上記は、主なものです。これらの他にも複数の会社がリースバックを行っています。
リースバックのメリット
引っ越しする必要がない
リースバックの場合のメリットとしては、現在お住まいの住居にそのままお住まいになれるという点があげられます。上記にも記載しましたが、お引越しする必要がありません。
もちろん、登記簿上の所有権は、リースバックの会社に移転することになります。
スピーディーに対応できる
リースバックに対応している会社に売却する場合は、通常の売却に比べ、スピーディーな対応が期待できます。
ただ、会社によって条件も異なりますので、リースバックの検討の際は、複数の会社を比較することをお勧めします。
固定資産税がかからない
所有権が移転しますので、固定資産税は、売却先である所有者の負担になります。
もっとも、固定資産税などの経費分も含めた家賃設定にはなります。
将来的に買い戻せる場合がある
条件にもよりますが、将来的に物件を買い戻せる場合もあります。
もっとも、買い戻す際の価格は、経費などの関係で、売却時の価格より高くなる可能性があります。
リースバックの会社との条件を事前に確認しておきましょう。
なかには、当初、
買戻しができる
という説明を聞いていたものの、実際は、なかなか買戻しに応じてくれないというトラブルもあります。
また、リースバックの契約後、業者がその物件を転売する可能性もあり、その場合も、買戻しがスムーズに進まない場合もあります。
リースバックは、メリットもありますが、注意点もああります。
注意点
家賃設定が高い場合がある
リースバックの場合、賃貸で物件を借りることになりますので、その家賃がどれくらいになるかで毎月の家計に直接影響がでてきます。
リースバックの場合、
基準としている利回り(投資額に対する年間の家賃)
から家賃を設定しますので、結果、周辺の家賃相場より高くなる場合があります。
ですので、リースバック時の家賃が実際どれくらいになるかを確認しての検討になります。
不動産会社側は、家賃は高いほうが良いと考えます。
売却価格が売買相場より低くなるケースが多い
リースバックの場合、いわゆる買取りと同じような意味合いで、スピーディーに対応できる反面、
売却価格が相場より低くなる
ケースが多くなります。
つまり、リースバックを行っている会社も、
利益がでることを想定して、売却価格の設定
を行っているということになります。
売却時の設定価格が、かなり低いというケースを聞くことがあります。
もちろん、物件によって、その評価は異なってきますが、少なくとも、通常は、
通常の仲介による売却
よりは、低くなってしまいます。
その際に、それでも、同じ場所の住むことを優先すべきかどうかの判断になってきます。
不動産会社側は、対象物件を安く買ったほうがよいと考えます。
リースバックによる売却代金で、ローンを一括返済し、抵当権を消除します
リースバックを行い際は、
売却代金でローンを一括返済し、抵当権を消除する必要があります。
ですので、
売却代金で住宅ローンの残債が支払えるかどうか
と
結果、お手元に残る費用がどれくらいになるか
を事前にチェックする必要があります。
場合によっては、売却価格がローンの残債を支払うのに足りない場合もあります。
その場合は、自己資金をプラスしてでもリースバックを行うかどうかの判断になります。
賃貸契約の種類
リースバック時の賃貸契約の種類も重要なチェックポイントとなります。
賃貸契約には、
普通借家契約
と
定期借家契約
があります。
チェックするポイントは、更新の際の条件です。
普通借家契約であれば、
貸主に正当な事由がない限りは更新できます。
(例えば、貸主が個人で自宅を貸している場合は、転勤が終わって、自宅に戻って自身が住む場合などが正当な事由に相当します。)
また、逆に、借主側から中途解約についても、
普通借家契約の場合は通常1ヵ月前(特約に記載)
ですが、
定期借家契約の場合は、要注意
です。
通常は特約事項に、中途解約の記載がありますが、その記載が無い場合は、
中途解約する場合は、契約期間終了までの間の家賃を支払う
ことのなってしまいます。
(定期借家契約の場合、基本は、その期間の契約が前提です。ただし、実際は中途解約する場合もありますので、それを、特約事項に記載して取り決めるということになります)
また、家賃設定に関して、将来的に変更になる場合もあります。
もっとも、このことは、一般的な賃貸物件に共通することにはなります。
所有権の名義が変わります。
リースバックの際は、所有権の移転手続きを行い、売却先の名義に変わります。
対応していないエリアがある
リースバックのサービスを提供している会社によっては、
リースバックに対応しているエリア
を限定している場合もあります。
例えば、都市部に近いエリアのみに限定している場合などです。
ですので、リースバックのサービスの利用を検討する際にが、対象となるエリアに含まれているかどうかをチェックする必要があります。
まとめ
リースバックの場合、
・売却による現金が見込める
・その後も、賃貸で同じ場所に住むことができる
という反面、
・通常は、売却金額が相場の価格より低くなる
という点に注意する必要があります。
一般的に、不動産を売却する際には、
仲介による売却
と
業者の買い取り
がありますが、リースバックは、後者にあたります。
業者の買い取りの場合、スピーディーに対応できる反面、通常は、買取価格が、相場より低い設定になります。
業者目線で見ると、
安く買って、高く貸す
というしくみになります。
そう考えると、利用する側からのメリットは、相対的に低くなると言えます。
リースバックは、ユーザー側には不利な「しくみ」となってしまう可能性があります。
ですので、リースバックの場合、そういった点も踏まえての判断になります。
また、ケースによっては、
収益目的でマンションを購入する人が、その物件を賃貸した場合
は、結果的に、リースバックと同じような形になります。
ただ、スムーズにそういった契約にするのが手間がかかる為、リースバックを提供する会社がある訳です。
あと、細かいお話しになりますが、リースバック後は、物件の所有権が変わりますので、
管理組合に書類の提出が必要
となり、また、
マンションの管理組合から外れますので、理事会の役員の順番もまわってこない
ということになります。
いずれにしても、リースバックを検討する際は、細かい箇所まで十分にチェックすることが大切といえます。
以上、「リースバックの注意」についての説明でした。