
リースバックを利用する際に、
どんなトラブルがあるのか?
を知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
最近、リースバックのCMを見かけることがあります。自宅を売却した後にも、そのまま住むことができるという仕組みですが利用する際には、いくつかの注意点があります。それらをわかりやすく説明しています。

昨今のTVCMで、
リースバックの宣伝
を見ることが増えてきました。
リースバックとは、
自宅を売却して、その後、その住宅を自ら借りる
という仕組みです。
自宅を所有している場合、当面の現金が必要な際の方法のひとつといえるでしょう。
また、住み慣れたお家にそのまま住むことができるというメリットがあります。
しかしながら、実際のリースバック利用で、
トラブルに発展している事例
もあります。
では、どのようなトラブル事例があるのかについて、リースバックの仕組みとあわせて説明します。
リースバックの仕組みとは?

リースバックとは、上記に記載しように、
自宅を売却して、その後、その住宅を自ら借りる
という仕組みになります。
ですので、流れとしては、
自宅の売却
と、
賃貸
という2つの事柄に絡む契約を進めることになります。

一般的に不動産の取引の場合、売却や賃貸の単体の取引においてもトラブルになることがあります。
リースバックの場合、その2つの取引を同時に進めるという内容となりますので、少なくとも、それぞれの契約にトラブルになる可能性を含んでいると言えます。
また、リースバックの契約時の特徴としては、
通常は、売却と賃貸の契約を、同時並行して行う
ということにあります。
例えば、自宅を売却して、別の物件を賃貸で借りる場合は、通常は、それぞれの契約は別の不動産業者と取り交わすことになります。
それに対して、リースバックの場合は、「売却と賃貸がセット」になっていますので、それらを同時に契約を進めることになります。
その際、基本的には、同じ業者が対応することになります。
また、リース会社のサービスの場合は、提携している不動産会社が対応にあたる場合もあります。
ちなみに、ハウスドゥやセンチュリー21といった会社の場合は、フランチャイズ形式のビジネスですので、実際に対応するのは、加盟店である地元の不動産会社となります。
その際の取引の内容としては、
賃貸するということを前提に、売却契約を行う
ということになります。
このことを、リースバックを行う業者側の視点でみると、
収益用の不動産の購入(物件の仕入れ)
と、
借主の契約(客付け)
を同時に行うということになります。
ですので、リースバックは、業者としては、非常に効率の良いビジネスモデルと言えます。
また、リースバックを利用する際の売主側の注意点としては、
売却と賃貸のそれぞれの契約で、不利な内容になっていないか
をチェックする必要があるという点です。
下記に、どういった点に注意すべきかを見ていきましょう。
リースバックの注意点

リースバックの利用者として注意すべきポイントとしては、
国土交通省の「住宅のリースバックに関するガイドブック」
が非常に参考になります。
トラブル事例としては、下記のようなケースが掲載されています。
・強引な勧誘、営業で根負けしてしまった。
・売買契約後の解約で、多額の違約金を請求された。
・賃貸費用が、数年で売却額を上回ることに気が付いた。
・売却価格に関して、相場よりかなり低い価格だった。
・賃貸契約が定期借家契約だった為、期間満了時に更新を拒絶されてしまった。
それぞれの内容について解説します。
強引な勧誘、営業で根負けしてしまった。
不動産に限らず、
強引な勧誘、営業を行う業者
は、存在します。
不動産会社の場合、なかには、たちの良くない、あるいは、悪質な業者も存在します。
そういった会社に問い合わせをしてしまった場合は、
毅然とした態度で、明確に断る
ということが大切になってきます。
あいまいな態度で対応していると、相手も、契約の可能性がある、あるいは、強引に進めれば、契約するかもしれないと判断しますので、注意が必要です。
また、最初、どんな会社かの判断がつかない場合には、話しを聞く前に、
複数の会社に話しを聞いて、その中で判断する(合い見積もりをとる)
ということをはっきり伝え、
内容によっては、リースバック自体を見送る可能性もある
ということを、先に明言しておくと良いでしょう。
売買契約後の解約で、多額の違約金を請求された。
売買契約に署名、捺印してしまった場合は、その契約内容に同意したことになります。
これは、契約を取り交わす際の約束事になります。
ですので、売買契約に限らず、契約を取り交わす際には、
その契約内容を十分確認
した上で、
不利な内容が記載されていないかをチェックする
ことが重要になってきます。
また、前提としては、
信頼できないと判断した会社とは、契約の取り交わしをしない
ということです。
なかには、言葉巧みに提案してくるケースもあるでしょう。
そのような場合は、
契約書の内容の一言一句を確認
した上で、記載内容に問題がある場合は、
署名捺印をしない
あるいは、
記載内容の訂正を求める
といった対応をします。
少なくとも、納得のいかない契約に書面、捺印することは、厳禁です。
賃貸費用が、数年で売却額を上回ることに気が付いた。
リースバックの契約後、長期にわたって賃貸した場合、単純に、
賃貸費用が、売却金額を上回る可能性
があります。
リースバックの契約前に、単純計算でわかりそうなものですが、なかには、そのことに後で気が付くというケースもあるようです。
ですので、リースバックを利用する際には、賃貸期間が比較的短い場合ならまだしも、長期間の賃貸になった場合、結局、損得勘定でいうとマイナスになる可能性があるということを認識しておく必要があります。
売却価格に関して、相場よりかなり低い価格だった。
リースバックで、売却代金による現金収入があるのは良いのですが、そもそも、売却金額自体が低く設定されているケースがあります。
不動産業者としては、収益率を高くする為、
なるべく安く購入したい
と考えます。
逆に、リースバックを利用する側としては、なるべく高く売りたいわけです。
ですので、リースバックを利用する際には、
必ず、複数の業者からの提案
をもらって、比較検討することが重要となってきます。
賃貸契約が定期借家契約だった為、期間満了時に更新を拒絶されてしまった。
住宅の賃貸契約の種類として、
普通借家契約
と
定期借家契約
があります。
その大きな違いは、賃貸契約の更新時の対応にあります。
つまり、借主が更新を希望している場合において、
貸主が更新を拒絶することができるかどうか
ということの違いがあります。
普通借家契約
普通借家契約の場合は、
借主側に正当な理由が無い限りは、更新される
となっています。
例えば、転勤で自宅を賃貸にしていた場合、転勤が終わり、自宅で住むことになった場合といったケースでは、正当な理由となります。
ただ、リースバックのように、業者が所有している物件で、貸主側の正当な理由が認められるケースは、かなり稀と言えます。
定期借家契約
それに対して、定期借家契約の場合、契約満了時に、正当な理由の必要はなく、貸主は更新を拒絶することができます。
ですので、リースバック時の賃貸契約の際に、
定期借家契約による賃貸借契約
を取り交わしている場合は、その期間が満了した後、契約上、更新ができないリスクがあります。
ですので、リースバックにおける賃貸借契約では、その契約の種類についても、しっかりと確認しておく必要があります。
また、それぞれの賃貸借契約に関して、
中途解約の場合の対応
に関しても、チェックしておく必要があります。
まとめ

リースバックのTVCMを見ると、そのサービス内容に関して、
良い面だけをアピールしている印象
があります。
CMなのである意味しょうがないのですが、実際にサービスを利用する際には、
そのリスク、注意点
についても、しっかりと把握しておくことが重要です。
不動産の取引の場合は、金額も大きくなり、また、契約に違約した場合の違約金も、相当の金額になります。
ですので、契約内容をよく確認するとともに、複数の会社からの提案を受けて検討されることをお勧めします。
また、少なくとも、あまり聞いたことの無いような会社への問い合わせは避けるべきと言えます。
以上、リースバックのトラブル内容についての説明でした。
