
マンションの売却が決まって、その後の、
マンションを引き渡す際の手続き上のポイント、注意点
があれば、知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
マンションの売却時の最後のステップとして、マンションの引き渡しがあります。また、同じタイミングで、物件代金の残金の受け取りや、その他の経費、清算事項の手続きを行います。それらの内容についてわかりやすく説明しています。

マンションを売却する際、
マンションの買い手が見つかった後の手続き
としては、下記の手順で進めることになります。
(その際に、手付金の授受も行います)
(本審査OKのあと、買主は、銀行との住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)をします)
(残代金の授受と、物件の引き渡しを行います)
上記の最後のステップが、「決済」になります。
決裁は、物件代金の支払い(振り込み)のこともありますので、通常は、関係者が銀行に集まって、手続きをすることになります。
(関係者とは、売主、買主、司法書士さん、仲介する不動産会社の担当者です。)
決裁当日は、概ね、
下記の流れで手続きを進めていくこと
になります。
※決済時の段取り
1.所有権移転に必要な書類の確認
▼
2.物件の残代金等の授受(売主の口座への振り込み手続き)
▼
3.所有権の移転などの書類準備
(振り込みの手続きに時間がかかりますので、その間に、必要書類への署名、捺印をします)
▼
4.物件の残代金が売主の口座へ着金されたことの確認
▼
5.経費の支払い
▼
6.物件の鍵の授受
法務局へ所有権移転の為の書類を提出(司法書士さんが行います)
上記の流れにそって、決済の際にチェックすべきポイントについて、5つの事項にわけて説明していきます。
マンションの引き渡し時の「6つのポイント」

決済(残代金の受け取り)、物件の引き渡しの際には、下記のことを行います。
・所有権移転に必要な書類の確認
・物件の残代金の授受(売主の口座への振り込み手続き)
・所有権の移転などの書類準備
・物件の残代金等が売主の口座へ着金されたことの確認
・経費の支払い
・物件の鍵等の授受
それらの内容に関して、順に見ていきましょう。
所有権移転に必要な書類の確認
所有権移転に必要な書類としては、
・登記識別情報(権利書)
・印鑑証明(3か月以内)
・本人の身分証明書(免許証でOK)
と、
・実印
になります。
登記識別情報(権利書)は、念のため、事前に、不動産会社の担当者や司法書士さんに確認をしてもらうと安心です。
稀に、
登記簿
を、登記識別情報(権利書)を勘違いして持ってこられる方がおられます。
そうすると、当日、決済の手続きができなくなってしまいます。
また、共有名義の場合は、所有権移転の際に、印鑑証明、実印とも、それぞれを用意することになります。
物件の残代金の授受(売主の口座への振り込み手続き)
所有権の移転に関する書類の確認後に、
住宅ローンの実行と残代金の受取り(通常は、口座振り込み)
の手続きを行います。
※念のため、所有権移転の為の書類が揃っているかを確認した後に、振り込み手続きをするという順番になります。
この時に、売主側の、
受取り先の銀行口座
がわかるように、通帳等と用意しておきます。
また、残代金の入金(着金)の確認ができてから、所有権の移転手続きを行うことになります。
ですので、銀行のATMで口座残金で、着金の有無が確認できるように、
キャッシュカード
も用意しておきましょう。
着金確認まで、1時間程度はかかります。
また、月末などで、銀行の処理が混んでいる場合は、それ以上時間がかかる場合もあります。
所有権の移転などの書類準備
売買代金が口座へ振り込まれる(着金)のを確認するまで、時間がかかりますので、その間に、
所有権移転の為の書類への署名捺印
や、
管理組合に提出する書類など
を準備します。
所有権移転登記の書類に関しては、
司法書士さん
が準備してきますので、その書面に署名、捺印をします。
また、管理組合に提出する書類は、売主、買主のそれぞれ署名捺印する箇所があります。
必要な書類自体は、通常、仲介する不動産会社の担当者が、事前に準備します。
物件の残代金等が売主の口座へ着金されたことの確認
物件の残代金が、売主の口座に振り込まれたことを確認します(着金確認)。
物件の代金としては、売買契約の際に手付金を受け取っていますので、物件代金から手付金を差し引いた金額が残代金となります。
その他に、
・固定資産税の清算金
・管理費、修繕積立金の清算金
についても、残金とあわせて振り込まれます。
マンションの修繕積立金、管理費に関しては、通常、口座引き落としのなっていますので、所有者の変更手続きを行ったあとも、締め日の関係で、1~2回程度の引き落としがなされることになります。
ですので、その分を精算することを行います。
経費の支払い
経費としては、
不動産会社への仲介手数料の支払い
があります。
その他、住宅ローンの残金がある場合は、
司法書士さんに、抵当権の抹消手続きを行ってもらう必要
がありますので、その費用もお支払いします。
また、火災保険の手続きをする際、
銀行や、不動産会社が窓口になっている場合
は、このタイミングで支払いの手続きをします。
物件の鍵等の授受
物件残金の着金確認後に、
物件の鍵、物件に関する資料など
を買主さんに渡します。
その際、鍵の受取書への署名をもらっておくと安心です。
物件の売却の手続きとしては、以上で全て終了となります。
【参考】物件代金の授受について、「振込み」以外の方法は?

残金の受取りについて、「振込み」以外の方法として、
現金で受け取る
という方法もあります。
現金の束で支払うという方法ですが、現金を持ち歩くことは物騒なので、基本的に、振り込みで対応してもらうようにしましょう。
また、仮に、現金での支払いとなった場合は、
形式上、現金での払い戻し
にして、同時に、
売主が自分の口座に振込みをする
という手続きにする方法もあります。
この場合、
売主は、現金の受け取りと同時に、売主自身が自分の口座に振込みをする
形になりますので、銀行としても、決済を行う店舗に現金を用意する必要がなくなります。
この方法の場合は、売主自身が自分自身の口座に振込みをする内容で伝票を記載して手続きをします。
ですので、買主側としては、支店で住宅ローンが実行されれば完了し、
売主側の振込み確認(着金確認)は、売主側が自身で確認すれば良い
ことになります。
但し、高額の銀行振込になりますので、売主さんが、その銀行の通帳をもっていない場合、銀行での本人確認などのルールがあります。
念の為、高額な現金での振り込みについて手続き上の注意点などがないか、銀行に事前に確認する必要があります。
また、銀行によっては、振込みをする人(売主)に窓口で並ぶように指示してくる場合もありますので、逆に時間がかかってしまう可能性もあります。
いずれにしても、売主側の不動産会社と売主さんでの調整して、事前に銀行に確認が必要にはなります。
まとめ

マンションの売却に関して、
決済
は最後のステップになりますので、手続きに漏れが無いように注意して進めるようにしましょう。
また、
住宅ローンの残債
がある場合は、
事前に金融機関への手続き
をするとともに、
司法書士さんへも、金融機関の担当者等を伝えておく
必要があります。
住宅ローンの残債がある場合の手続きとしては、
決済日当日に、売買代金で残債分を一括返済
を行って、同時に、
「抵当権」を抹消する手続き
を行うことになります。
登記簿に記載している「抵当権」の抹消は、司法書士さんに依頼することになり、上記に記載したように、その際の費用も発生します。
管理組合(管理会社)への書類は、忘れずに提出する必要があります。
そうしないと、修繕積立金や管理費の引き落としが続くことになりますので、要注意です。
以上、「マンションの引き渡し時の注意点」についての説明でした。
