
不動産の売買の際の、
「囲い込み」
って、どういう意味なのか知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
不動産売買の際に、「囲い込み」を行う不動産会社があります。
「囲い込み」とは、売主から預かっている不動産の情報を、他の不動産会社に情報提供しない行為をいいます。
「囲い込み」は、売主にとって、迷惑な行為となりますので、注意が必要です。

マンションを売却する際、通常は、
不動産会社に仲介を依頼
することになります。
その際、依頼した不動産会社が、「よろしくない会社」の場合、
「囲い込み」
という行為をするケースがあります。
では、「囲い込み」とは、一体、どのような行為を言うのでしょうか。
その内容について、注意点とあわせてわかりやすく説明していきます。
「囲い込み」とは?

「囲い込み」とは、
不動産の売却の仲介をする不動産会社
が、
他の不動産会社にその情報を共有しない行為
のことを言います。
つまり、仲介の依頼を受けている物件の情報を、
自社内だけに「囲い込んでいる状態」にする
という意味合いになります。
「他の不動産会社にその情報を共有」とは、具体的にどういうことなのか?
不動産を売買する際には、基本、
売主側の不動産会社(売却の仲介)
と、
買主側の不動産会社(購入の仲介)
が存在します。
また、
売主側の不動産会社が、買主側の不動産会社も兼ねる
場合もあります。

ただ、早く買主を見つける為には、
多くの不動産会社が関わったほうが良い
と言えます。
具体的には、基本、売却の仲介を依頼された不動産会社は、
レインズという不動産会社間のデータベースに、物件情報を登録
して、他の不動産会社は、そのデータベースをみて、問合せをするというしくみになっています。
レインズの登録は、下記のルールになっています。
専属専任媒介契約;媒介契約の締結から5日以内
専任媒介契約 ;媒介契約の締結から7日以内
一般媒介契約 ;登録は任意
「囲い込み」とは、具体的にどういうことをするのか?
「囲い込み」をする不動産会社は、他の不動産会社からの問合せがあった際に、
「既に申し込みが入っています。」
あるいは、
「その物件は、売り止めになっています。」
といった対応をします。
実際に、申し込みがあったり、売主からの依頼による売り止めであれば問題ないのですが、「囲い込み」をしている不動産会社の場合、その事実もないのに、
虚偽の対応
をします。
そこが問題になります。
なぜ、「囲い込み」をするのか?

では、そういった不動産会社は、なぜ、囲い込みをするのでしょうか?
その理由は、
自社で、買主側も仲介したいから
です。
そうすることで、買主側からも仲介手数料がはいってきます。
(売主と買主の両方の仲介手数料がはいってくることを、「両手」という言い方をします)
逆に、他の不動産会社が、買主を見つけてきた場合は、自社には、売主側の仲介手数料しかはいらないことになってしまいます。
ですので、「囲い込み」をして、
他の不動産会社が買主を見つけるのを、邪魔するという行為
をするわけです。
囲い込みの弊害
仲介を依頼した不動産会社が「囲い込み」をした場合、
営業活動の範囲が、その不動産会社内だけに限定される
という状態となり、同時に、
他の不動産会社が営業をして物件が成約する機会が損失
されることになります。
そうすると、
売却期間が長引くという可能性が高くなる
ほか、場合によっては、
結果的に、価格を下げるといったこと
にもつながります。
結果的に、売主側が不利益を被るということになります。
「囲い込み」を行っているかを確認する方法

では、仲介を依頼した不動産会社が「囲い込み」を行っているかを確認する方法は、あるのでしょうか?
一番、簡単な方法は、
他の不動産会社から、問合せをしてもらう
というやり方があります。
そういったことが依頼できる不動産会社に、
実際に、仲介を依頼している不動産会社から「物件の問合せ」をしてもらって、その対応内容を確認する
ことで、どのような状況かをチェックできます。
虚偽の対応をしていたら、「囲い込み」をしていることになります。
「囲い込み」は、違法?

売却の仲介を依頼した不動産会社が、「囲い込み」の行為をしいた場合、
違法行為
に該当するのでしょうか?
状況によって判断が変わってきますが、一般的には、不正行為にあたり、
・刑事責任;「背任罪」などの可能性がある
・民事責任;損害賠償責任(不法行為・債務不履行)」などの可能性がある
と解釈することができます。
また、行政的にも、
都道府県の不動産仲介業者を監督する部署
による、
行政指導
の対象となります。
さいごに

実際に、「囲い込み」を行っている不動産会社は、あるのでしょうか?
残念ながら、
普通にある
というのが、実情です。
しかも、中小の不動産会社に限らず、大手の不動産会社でも、あります。
また、担当者が、自分の売り上げをあげる目的で、勝手に、そういった対応をしているケースもあります。
普通に考えて、
「囲い込み」の為に、ウソの対応をしている
ということ自体、その担当者を信頼することはできません。
ですので、マンションを売却する際の不動産会社選びは、慎重に行ったほうが良いと言えます。
単に、査定金額が高いからという理由だけで、不動産会社を選ぶと、リスクが大きいと言えます。
正直、そういった会社の査定金額も、媒介契約目的で、いい加減な金額を提示している可能性もあります。
いずれにしても、不動産会社を選ぶ際には、複数の不動産会社を比較検討して選定すべきと言えます。
その際、一括査定サービスを活用する方法もあります。
一括査定のサービス自体は、同じようなサービスを提供している会社が複数ありますので、どのサービスを利用すればいいのかと迷ってしまいます。
その場合は、
一括査定のサイトを運営している「会社」が信頼できる先
のサービスを選ぶと安心感があります。
例えば、下記の「Home4U」は、NTTグループの会社が運営していますので、安心感はあります。
また、一括査定サイト経由で依頼する不動産会社が大手の場合、店舗が都心部にしか無いケースが多いのが実情です。
大手の不動産会社のなかでも、三井のリハウスは、比較的、地方都市にも店舗を構えています。
いずれにしても、物件からなるべく近い会社に依頼するほうが望ましいと言えます。
以上、「囲い込み」についてでした。
