
マンションの売却の「査定書」に関して、
ポイントや注意点
について知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
マンション売却の際の、「査定を見るポイント」と「注意点」について、わかりやすく説明しています。

マンションの売却を検討する際には、
どれくらいの価格で売却できるのか
が問題になってきます。
その際、複数の不動産会社に、
「査定」
を依頼することとなります。
では、提示された査定書を見るポイントや、注意点について確認していきましょう。
査定書の内容

査定書の内容は、不動産会社によって、項目の違いはありますが、概ね、下記内容が記載されています。
査定書の基本的な項目
・前書き
・査定についての説明
・不動産売却の流れ
・査定物件の流れ
・物件の地図
・路線価
・取引事例
・査定金額
・査定金額の説明
・不動産会社からの提案内容
上記項目で、チェックすべきポイントとしては、
・査定金額
・その根拠
と、
・どのように売却を進めていくのかの提案
になります。
査定金額に関しては、
根拠をもって、査定金額が提示されているかどうか
を確認します。

査定金額が、どのような根拠で算出されているかをチェックします。
根拠は、「データに基づくもの」であるかどうかが大切です。
査定金額自体は、
不動産会社によって、バラツキ
があります。
ただ、実際のところ、
周辺の類似物件の売買相場
に、概ね、近い金額に収束されます。
その提示された査定金額を元に、
どのように、売却活動を行っていくかの提案
について、納得のいく説明ができているかどうかも含めて、判断していきます。
査定の目的とは?!


査定の目的は、売主と不動産会社によって、多少、異なってきます。
売主側にとって、査定書の目的は、
マンションにどれくらいの価値があるのか
(どれくれいの価格で売却できるか)
を確認することにあります。
それに対して、不動産会社の目的としては、
査定によりどれくらいの価格であれば販売できるかの提示
の他に、
専任媒介の依頼を受ける
ということがあります。
つまり、査定を行うということは、ひとつの
営業活動
となる訳です。
ここでいう営業活動とは、
媒介契約の依頼を受ける
ということです。
不動産会社としては、
売主から、専任媒介の依頼を受けること
で、扱う物件が増え、それが、売上げにつながるということにつながります。



不動産会社のなかには、専任媒介の依頼を受ける為に、
高額な査定を提出するようなケースもあります。
注意しましょう。
【補足】「不動産鑑定士による不動産査定書」
「査定」の種類としては、不動産会社による査定書の他に、
「不動産鑑定士による不動産査定書」
があります。
これは、相続など法的な手続きの為に、不動産の査定を行うものです。
費用も20~30万円ほどかかります。
「査定金額イコール売却できる金額」とは限りません。


査定金額が、比較的、高い金額になっていたとしても、
その金額で、売却できる
とは、限りません。
つまり、査定金額は、あくまで、不動産会社が、独自の判断で、
任意の金額
を提示するものだからです。
また、不動産会社によっては、媒介契約の依頼を受けたい為に、
高い査定価格を提示する
場合もあります。
売主側としては、
高い査定価格を提示してくれる不動産会社が、その価格で販売してくれると思ってしまいがち
ですが、実際、その確証はありません。
ですので、実際に売却できる金額は、
周辺の相場(実際に売買がなされている価格帯)
で判断する必要があります。



査定金額が高いからと言って、
その金額で売却することを保証しているわけではありません。
ですので、査定金額を、
かなり高い金額を提示してくるような不動産会社
の場合は、逆に注意が必要と言えます。
なぜなら、上記に記載したように、
媒介契約を取り交すことを目的に、査定金額を、極端に高く提示している可能性
があるからです。
物件を検討する側(買主側)としても、相場より明らかに高い価格の物件は、
そもそも問合せしない
か、もしくは、
価格の値下げ交渉
をします。
結果、相場よりかけ離れた査定金額は、意味のないものと言えます。
仮に、高い査定金額に従って、売却開始のタイミングでは、設定価格を高く設定したとしても、
途中で、販売価格の変更をする可能性が高くなる
あるいは、
値引き交渉の可能性が高くなる
と考えたほうが良いでしょう。
査定書をみる際には、そういったことも念頭において判断されることをお勧めします。
査定金額の算出方法


通常、査定金額の算出については、下記の3つの方法があります。
1.割合方式
土地の評価プラス建物評価で算出。
2.取引事例比較法
条件に近い物件の取引事例から算出。
3.収益還元法
仮に収益物件として捉えた場合、収益率から逆算して物件の評価をする方法。
基本、マンションの査定は、
2.取引事例比較法
で算出します。
具体的には、
同じマンションあるいは、近隣の類似したマンション
の過去の取り引き情報から算定します。
もちろん、
・階数
・リフォーム歴
・住居の位置(角部屋)
などによって幅がありますし、また、
・個々の販売状況(価格交渉など)
によって実際の販売価格はバラつきがでます。
ですので、そういった個々の物件の状況を考慮して、金額を算出します。
また、レインズという不動産業者向けのデータベースには、成約情報の中に、
販売資料に成約価格が記載された資料
が記載されている場合があります。(全ての物件ではありません)
査定書の中に、そういった資料も添付されていると親切です。



過去の成約データに基づく査定が、
売却できそうな金額に近い査定と言えます。
補足;割合方式、収益還元法について
「割合方式の算出方式」については、実際の相場価格との差異がでるケースが多くあります。
つまり、「割合方式の算出方式」の場合、土地の評価のベースが、公的なデータ(路線価等)になる為、実際の取引価格より低くなる傾向があります。
建物価格に関しても、経年により価値を減額していく考え方なので、低めの評価となる傾向にあります。
また、「収益還元法」は、主にアパートなど収益物件で用います。
例えば、年間の家賃収入が、600万円あれば、10%の表面利回りとして計算すると、
600万円 ÷ 10% = 6,000万円
という計算になります。
査定金額について


査定書の目的にも記載していますが、
査定金額 = 売却できる価格
ではありません。
査定金額が高かった場合、心情的には喜ばしい部分ではありますが、それはそれとして、査定金額自体は、客観的に判断する必要があります。
査定金額は、不動産会社は、それぞれの根拠で算出するものですので、正解は無いと言えます。
逆に、低くても、悲観する必要はない訳です。
では、何を基準に考えれば良いのでしょうか?
現実的には、
そのマンションや、周辺の類似のマンションの販売事例
が、実際に売却できる価格の目安となります。
また、周辺の類似のマンションの売買相場(成約事例)に関しても、
価格の幅
があります。
ですので、マンションの査定価格に関しても、正確には、
〇〇〇万円~〇〇〇万円
という価格の幅の中で考える必要があります。
具体的には、販売開始時は、その価格幅の高めの設定からスタートして、
状況をみて、価格を変更する
あるいは、
値引き交渉時の時のことも想定しておく
といった対処をとると良いと言えます。
マンションの相場を知る為の参考として、「マンション毎の過去の販売データ」をチェックしておくと良いでしょう。
下記のページに参考となるサイトを記載しています。



査定金額を、売却できる金額と捉えると、ある程度の金額幅があります。
まとめ


上記に記載したように、
査定は、あくまで、売却をする際の参考
としてとらえたほうがよいと言えます。
査定書自体は、実際に売却を依頼する不動産会社を選択するの材料にもなりますが、
査定金額に根拠のない数字を記載するような先
は避けたほうがよいと言えます。
また、実際の販売活動する中では、途中で
価格の変更の可能性もあること
や
買主によっては、価格交渉してくる可能性もあること
もあります。
ですので、不動産会社の担当者が、そういった場合の対処についても、しっかりと説明するかもチェックしておきましょう。
販売価格の変更の可能性があるとの説明があった場合、どれくらいの価格設定を想定しているかも聞いておきましょう。
いずれにしても、査定については、「一括査定のサービス」などを活用して、
複数の不動産会社に依頼して、会社ごとの対応内容を比較検討されること
をお勧めします。



不動産会社を選ぶ際には、複数の先から選定するようにしましょう。
一括査定のサービス自体は、同じようなサービスを提供している会社が複数ありますので、どのサービスを利用すればいいのかと迷ってしまいます。
その場合は、
一括査定のサイトを運営している「会社」が信頼できる先
のサービスを選ぶと安心感があります。
例えば、下記の「Home4U」は、NTTグループの会社が運営していますので、安心感はあります。
また、一括査定サイト経由で依頼する不動産会社が大手の場合、店舗が都心部にしか無いケースが多いのが実情です。
大手の不動産会社のなかでも、三井のリハウスは、比較的、地方都市にも店舗を構えています。
いずれにしても、物件からなるべく近い会社に依頼するほうが望ましいと言えます。
以上、「マンションの査定書の見方について」の説明でした。

